女学生日和 その2

2018年の「女学生日和」の続編にあたる。
実家のあるさいたま市近辺、もしくは僕が学生時代に頻繁に訪れた場所や特に思い出のある場所に絞り、偶然出会った初対面の女学生たちを撮ったもの。
前作で来場者より多く寄せられた、「どのように声をかけているのか」「撮影のあいだ被写体はどんな雰囲気なのか」という質問を踏まえ、一部の作品は作品下のQRコードをスマートフォンで読み取ることで撮影時の音声を再生することができる。

首からライカを下げ、僕は相変わらず女学生を探して歩き回っている。ここには15年ほど前の僕が好きだと思うであろう女学生たち、それしか写っていない。
前作では、音や言葉の情報を極力排した。それは写真に写っている女学生の声や撮影時のプロセスを写真のみから想像して欲しかったのと、鑑賞者それぞれの「女学生日和」を持って帰ってほしかったから。今展示ではもう少し僕の記憶に近づいてもらいたいと思い、前述の通り一部の写真は撮影時の音声を公開している。

学生時代、学校という場所が死ぬほど嫌いで自分の居場所すら見つけられなかった僕には、同級生の女の子と話をするなど夢のような話。大人になってしばらくして、やっと学校という場所が好きになった。

写真に写っている女学生たちは、僕が現役の学生の頃に知り合いたかったタイプの女の子たちを探し回って撮影したもの。自分の記憶と勘だけを信じて。そういう意味では、自分自身の学生時代のセルフポートレートだと思う。
十数年経ってやっと好きな女子(それも大勢の)に告白ができた、そんな気持ちです。

この写真たちを、若き日の僕に捧ぐ。

モノクロプリント 22点

会期:2019年2月1日(金)〜2月7日(木)
会場:ギャラリーヨクト